日本は今、経済面から出口の見えない暗く長いトンネルの中にいます。
90年代初頭のバブル崩壊。
そこから今までの約20年間、日本の経済は低迷し続けています。
世に言う失われた20年です。
経済成長だけ見れば中国をはじめアジア各国や欧米諸国にも大きく遅れをとっています。
2010年現在、日本経済は閉塞感で覆われ、国民は高度経済成長時代の自信を喪失し、将来への漠然たる不安に萎縮し内向的になっています。
日本全体が魅力ある輝きを失いつつあります。
第2次世界大戦後、日本は焼け野原から世界でも類を見ない奇跡の経済成長を成し遂げ、世界の大国の一員になりました。
その背景には、アメリカに追いつけ追い越せという大きく且つ分かり易いスローガンがありました。
国民も企業も政治家も官僚も皆が「経済大国を目指す!」 という共通目標がありました。
目標に向かって我が国全体が総力を挙げ努力し続けました。
その結果、世界第二位の経済大国になり、一人当たりGDPではアメリカを80年代に追い越しました。
その後バブル経済を迎え、そしてそのバブルは文字通り泡の如く消え去りました。
夢を見て山を登り、その頂きに立った途端、日本は目標を見失ってしまいました。
見失った時に、日本国民の目の前に経済停滞と少子高齢化という大きな壁が現れました。
税収は国債発行額を大きく下回り、現在、毎秒どんどん我が国の借金は増え続けています。
この日本の失われた20年の失敗の本質は、「Lost Vision」。
今の日本はビジョンを失い、将来像が描けないでいるのです。
戦略や戦術は洗練され次々出てくるがそれがなかなか実行されず、世界の速い動きについていけていない。
今、最も必要なのは、日本のビジョン=将来像を明確に示し、その目標に向かって実行していくことだと思います。
それが出来るのは、右肩上がりの財政収入に頼りきるこれまでのインフラ整備のための公共事業ではありません。
現在における日本の最大の強みは逆説的に「世界一の高齢化」です。
高齢化は弱みと捉えられがちですが、世界一高齢化の進んでいる国日本は、世界一高齢化対策が進んでいて、その分痛みを伴ったノウハウも豊富に蓄えているとも言うことが出来ます。
高齢化に伴う社会保障関連事業は国内だけでも周辺産業含めて70 兆円超の市場規模が見込めていますし、高齢化の進んでいる国外への事業展開やメイドインジャパンの福祉用具・サービス・システム等の輸出を加味した場合、試算できない程の規模の市場が創出できるのです。
日本国内の高齢者数は2010年現在約2,500万人。
中国国内の高齢者数は2010年現在約15,000万人。
現在の経済状況を考えると韓国、インドはもちろんヨーロッパ、南米各国も市場として見込める可能性があり、そうした場合の市場規模は計り知れないものがあります。
新たな内外の社会保障関連需要の進展によって、それに対応する為に新たな雇用が生まれ、外貨を稼いでくることで国民の可処分所得を増やし、景気を上向かせ、税収を増やし、更なる社会保障関連事業による国際競争力を強化する。
少なくとも文化的にも地理的にも日本に近いアジア圏の高齢化問題は日本が主導を握り解決しなければなりません。
社会保障関連需要は生活に限りなく密着した産業なので経済変動の影響を受けにくいという事も重要なポイントです。
したがって、先般のリーマンショックによる金融危機の様な事が再発したとしても影響は比較的少ないと想定できます。
日本経済の現状は、確かに国内において需給ギャップが存在します。
しかし、国民生活の課題(特に少子高齢化)に正面から向き合えば、目の前に潜在需要は湯水の如く湧き出ています。
まずは世界最高水準の社会保障の実現に向けて日本全体が動き出すことが必要だと思います。
そうすることで新しい需要が内外で確実に生まれます。
長寿大国日本は「高齢社会はこうあるべし!」と言う範を世界に示すべきです。
世界へ向けて高齢社会への処方箋を示すことこそ日本が求められているミッション(使命)であると思います。
その為には、既存の社会の良いものは残し、悪いものは直ぐに変革し、新たな価値をスピーディーに育み、既存の価値と新たな価値をシームレスに融合していく必要があります。
日本が世界の高齢社会の「国家モデル となることで、市場と優れた供給主体の創造が実現できます。
デフレ脱却の足がかりとなることももちろん可能です。
その為には限られた財源をどこに集中的に使い最大効率を上げるか、「選択と集中」が重要になってきます。
こうした体制を如何に作り出すか?
民・官・政・学・産の五位一体がその為のキーになります。三位一体では足りません。
五体一体なくして高齢社会国家モデルには到底成り得ません。
アジアの中で世界の中での日本の存在価値は、経済成長に伴い発生する問題の解決役を果たすことでこそ高まります。
アジアの活力を発展させ、日本がアジアと共に生きていく為には、他国の真似出来ない新しい日本の国家モデルの確立が急務です。
日本では失われた20年と言われており今も失われた30年に向けて進行中です。
第2次世界大戦後、焼け跡世代・団塊の世代と言われる方々が「希望を持ち理想を見失わず」に今の平和で豊かな日本を築き上げて下さいました。
あれから65 年。今再び日本は非常に大きな岐路を迎えています。
今こそ、日本は焼け野原だった頃の原点に立ち戻り、理想の実現に向けて五位一体となって動き出さなくてはならないと思います。
自動車産業等のこれまでの日本を支えてきたモノづくりは斜陽を迎えています。しかし、介護福祉用具という新たなモノづくりがこれからの日本のモノづくりを支えていくのです。
「独自の文化を有し、働く時期は一生懸命働き、引退後は人生を謳歌し、誰もが幸せな国日本」を世界に発信する。これが社会保障関連産業を担う我々日本介護福祉グループの使命だと思っています。
歴史は誰も作ってはくれません。社会保障関連産業に身を置く我々1人1人が自らこれを創造しなくてはなりません。
社会保障関連産業の発展によって再び我が国は輝きを取り戻します!
株式会社日本介護福祉グループ
代表取締役社長