002|もう一つの居場所 〜藤森のものがたり〜

「茶話さん、とても困っているの。何とかならないかしら」

それはケアマネジャーからの電話から始まりました。

 

 

 

Oさんはまだ70歳前で自宅での生活は可能だけれど、同居されている妹様のご負担が大きく、ご家族様は入所を希望されているとのことでした。

ご自宅でのご様子を詳しく伺っていくと、Oさんは夜中に妹様を起こしてしまったり、些細なことで大きな声を出して話を聞いてくれなかったり等の問題があるようでした。

そこで私たちは、ご家族様のご負担を軽減しつつ、Oさんとご家族様との繋がりを絶ってしまわないように「必ずご自宅に帰って頂く日を決めた上で、お泊まりも踏まえたデイのご利用」を提案しました。

Oさんはお泊りサービスこそ初めてだったものの、デイサービスは以前からご利用さごれていたようで、ご利用初日から事業所スタッフや他ご利用者様となじみ、とても活き活きと過ごされていました。

 

Oさんと妹様とにある問題は何だったのだろう?

 

普段のご様子からは何も問題は感じとれませんでしたが、Oさんのお話しを伺ったり、連絡帳を通して妹様とコミュニケーションをとったりしていく中で、問題の原因が見え

てきました。

 

一つ目は、「何か役に立ちたい」と思うOさんと、Oさんを心配するあまりOさんには家事などをしないでもいいように配慮されていた妹様とのすれ違い。

二つ目は、そのすれ違いも踏まえた淋しさをOさんが溜めこんでしまっていたことが主な原因のように思われました。

 

そこで、私たちは率先してお手伝いを頼むようにしました。

掃除機かけ、食器洗い、食事の盛り付け等々。

Oさんは楽しそうにお手伝いをしてくださり、7ヶ月経った今では職員からは勿論の事、他ご利用者様からも慕われています。

「役に立ちたい、頼られたい」

そう言っていたOさんは事業所にとって、なくてはならない存在になりました。

月に2〜3回ご自宅に帰られた際にも、当初あった姉妹間での言い争いが減り、「穏やかに1日を過ごすことができました」とのお言葉を妹様から頂くことができるようにもなりました。

Oさんには帰る家があります。

でもそこでの生活が少し苦しくなってしまった時に、事業所をもう1つの居場所と感じて頂くことで、妹様との距離感を丁度良く保てていただけているのではないかな、と思います。

これからも、ご利用者様とご家族様の蝶番にもなり得るような支援を続けていきたいと思います。

 

 

 

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